お墓参り

大昔にご紹介しましたが、11月1日はすべての聖人の日となっています。
イタリアでは、毎日がどなたかの聖人に捧げられており、
カレンダーには曜日や月の満ち欠けなどとともに
聖人の名前が入っています。
なので、その日に生まれた方は、その聖人の名をもらうことが多く、
同じ名前の人がたくさんいるのです。

しかも、それぞれの街の守護聖人などもいるので、
同じ街で生まれたら、その方々から名前をもらうこともあって
例えば、ローマの守護聖人は、パオロとピエトロのお二人。
だから、ローマで「パオロー」とか「ピエートロー」
などと呼ぶと数人は駆けつけます。(笑)

ただし、カレンダーに載りきらない聖人たちのために
すべての聖人の日が設けられており、
また、亡くなった方々がすべて聖人にはなれないので、
普通の死者たちに捧げられたのが、翌11月2日です。
そこで、イタリア人の殆どはその日にかけてお墓参りをします。

ローマの大きな墓地の周辺は、大変混雑します。
そうそう、11月1日は祝日になっています。

私の住む田舎町でも、徒歩で行ける範囲の方々は少ないので、
お墓の周辺は車が混んで駐車禁止になったりします。
駐車禁止で止める場所がないと、余計広範囲に混雑するのではないか
と思うのは私だけでしょうか?

そういう風景を過去に何度も見ているので、私はいつも10月30日か
31日にお墓参りをすることにしています。
もちろん私だけではなく、そのあたりになると結構なお参りの人たちがいます。

今年は今日31日に行ってきました。
もしかしたらすでに駐禁のテープがはられているのではないかと思いましたが、
ギリギリセーフでした。
墓地の専用駐車場はすでに満杯に見えたので、すぐ前の道路沿いに止めました。
そして、お墓参りをした後で戻ってみると、
市役所の車が止まっており、まさしくテープを取り出したところでした。(笑)
間一髪、朝方にでかけて正解でした。

私はお参りをするのは、もちろんPaoloの両親、私のお舅さんたちですが、
プラス、お目にかかったことはないけれど、
Paoloのお祖父様と、子供の頃にかわいがってくれたと聞いている叔父様と。
その3箇所をはしごします。

我が家は田舎なので、そこそこの大きさの庭があって、
そこで、バラを始めいろんな花を育てていることは皆様もご存知ですが、
実はこの家をVilla Giuliana(ビッラ ジュリアーナ)と呼んでいます。

Villaは一軒家のこと。
集合住宅は、その価格に関係なく億ションでもアパルタメント(アパート)です。
アパルタメントのような大きな建物をまるごと持っている場合などは、
パラッツォと言います。
街の中にある、数階建ての周囲に土地の余白のない(中庭があるけれど)
昔の貴族の館などはPalazzoと呼ばれます。

さて、Villa Giulianaを手にしたときに、私が密かに姑に約束したことがあります。
彼女のお墓には手作りの花を捧げようということ。
残念ながら姑はこの家を見ないで逝ってしまいました。
そこで、彼女のお墓に花を手向けるためにも花の栽培をしているのです。

今年は、ちょうど咲いているバラがなかったので、
小菊の鉢植えと、紅葉の始まった柿の葉と、南天の実を持参し、
お墓の前の花屋さんで、ユリと、更に色違いの小菊を買い求め、
3箇所に手向けてきました。


なぜなのでしょう?
お墓参りをすると気持ちが晴れますね。
物言わない方々と対峙して、自分の気持の整理がつくのかしら?


街のスーパーにはすでにクリスマスにいただくパネットーネが並んでいます。
10月の最終の日曜日にサマータイムが終わったので、急に日が短くなって、
まだ、昼間は半袖姿の人も多いのですが、一気に冬の気配が漂ってきたローマの田舎町です。

Keiko

italia-keiko.net

1985年、ローマに恋をして住み着いてしまった私。でも人の生活はどこでも同じ。 泣き笑いはどんな言葉を話していても同じ。だったら楽しく生きたいね。

お墓参り」への6件のフィードバック

  1. イタリアの墓地は明るくていいね。
    日本のは暗い!
    お墓参り・・昨年の兄の納骨で行ったきりこれからもゆく予定はなし(-_-;)
    ご存知の性格だから心の中だけで済ませています(;´Д`)
    素敵なお花を供えてKeikoさんの心も満ち足りたことと思います。

  2. ぞうね、こちらの墓地にはあまり暗さはないわね。
    子供の頃、墓地の前を通らなくちゃならないことがあって、
    塀で囲まれていたのに、なんとなく怖かった。(笑)

    今年は渋い色でまとめました。^^

  3. そちらの聖人の日は、日本のお彼岸と似たものかしら。
    お墓参りをして気持ちが晴れるのは
    きっと心を込めてお参りする方の気持ちが
    亡くなられた方にも伝わってるのかなと思います。
    お返しの気持ちが晴れやかにさせてくれてるのかと。

    父の祥月命日が今月です。
    母と同じところに眠っているので久しぶりに会ってきます。

    11月なのに今年の日本の秋は暑いです。

    1. そうですね、お彼岸やお盆という感じです。
      こちらの敬虔なキリスト教信者の中には、
      教会で先祖のこともお祈りするのでお墓には行かない
      という考えの方もおいでのようですが。

      うちのような田舎ではやっぱり毎日のようにお墓参りする人がいます。

  4. お墓参りにはお花。
    お花の種類は違ってんも、人の思いは同じですね。
    お彼岸が春と秋なのは、様々な要因があるのでしょうけれど、お花がたくさんあるからというのも理由だったりしないかしらん?
    ま、お供えがヒマワリやポインセチアでも悪くはないですが・・・

    1. 意外とね、菊やユリやお墓に捧げるお花は日本とおまり変わりません。

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