出たきり邦人 1672 Torinoへ

個人的なことですが、一人息子は去年の春から

Torinoという北イタリアの都市に住んでいます。

 

観光都市ではない(少なくとも日本人にとっては)ので

余り日本人には馴染みのない街かもしれませんが、

Fiat(フィアット)という名は聞いたことがおありでしょう。

そう、イタリアで一番有名な自動車会社です。

 

日本のTOYOTAと同じように、このTorinoという街は

Fiatで成り立っているというかその本拠地なのです。

Fiatを正式に言えば、Fabbrica(工場)Italiana(イタリアの)

Automobili(自動車)Torino(トリノ)。

それぞれの頭文字をとってFIATとなります。

 

もしくは冬季オリンピックで覚えておられる方もおいででしょう。

そのトリノオリンピックを機に

少しは観光にも力を入れ始めたと聞いています。

 

そのトリノに縁あって(詳しくはここでは省きます)

息子は昨年の3月から移り住み、なんとか自分の望む仕事

*コンピュータープログラマー*にも出会うことができ、

市内の1LKDでの一人暮らしを楽しんで?います。

 

でも、このところ少しさみしそうなチャットが

WhatsApp(日本のLINEと同じような機能です)に

とどいていたので様子を見に行ってきました。

 

私は一人っ子で、一人でいることに寂しさを感じたことはない

のですが、同じ一人っ子でも息子はどうも私とは違うようで、

そこは日本人とイタリア人との差なのかもしれませんが、

「いつトリノに来るの?」

「美味しいグラッパが手に入ったから飲みにおいでよ。」

などというメッセージが続くと寂しがっているのではないかと、

いても立ってもいられなくなって行ってきました。

余談ですが、かつて息子がアムステルダムに住んでいたときも同じでした。(笑)

 

ただ、我が家にはRudy(ルーディー)という雑種犬と

4匹のメス猫達がいます。

だから私は普段家を空けることができないのですが、

Rudyはそもそも息子がもらってきたのだし、私以上にRudyにも

会いたがっているのでそのRudyを連れて行くことにしました。

 

太り気味の猫達は一日くらい食べないほうが良いでしょうし、

(と言いながらしっかりディスペンサーを設置しましたが、)

台所には彼女たち専用の出入り口があるので自由に出入りできます。

 

汽車でも犬を連れて行くことはできるのですが、

田舎の一軒家で生活しているRudyが果たして汽車の旅でおとなしく

振る舞えるのかどうかという不安があり、また大型犬なので

首輪に鎖はもちろんのこと口輪を義務付けられていて、

4時間半ほどの行程をずっと口輪をつけたままにするのが不憫で、

というか今まで使ったことがなかったので、

まずは訓練してからと思い、すぐには間に合わないので

車で連れて行くことにしました。

 

GoogleMapによると家から757km、時間にして7時間24分という案内。

ミラノを経由していかなければならないので混雑しそうな時間を避けて

と思って夜中に出発することにしました。

Rudyにとってもそのほうが涼しくて過ごしやすいだろうと思ったのです。

 

さて、ここから私のアドベンチャーが始まります。

予定では早めに寝て、このところ夜中の3時頃には自然に目が覚める

ことが多いのでその頃に起き出して行けばいいやと思っていたのですが、

その日はやはり気分が高まっていたので消化、ちっとも眠れず

ようやく1時半頃に少し眠くなって1時間ほど寝たようです。

 

そして、予定通り3時に出発したのですが。。。

道路はもちろん真っ暗。

しかも早々と霧が発生していました。

ですから、制限速度の130kmでは到底走ることができず、

また、妙な寝方をしたせいで目がしょぼしょぼして大変でした。

 

告白すると、昨年の夏に真っ昼間でしたが、高速道路上で

一瞬の眠気に襲われて、中央分離帯に接触して、

その後車体をもとに戻すのに苦労した経験があり、

眠気の恐ろしさはよくわかっているのでチューインガムを

たくさん買い込み、出かける前にコカ・コーラを飲んで

走りながら時々目の周りや額を冷たい水を染み込ませたハンカチで

拭いたりしながらの旅でした。

 

そこで、当初は途中2度ほどの休憩をと思っていましたが、

何度もサービスエリアに止まって、Rudyも私もトイレ休憩をとり、

歩いて足を動かし、だましだまし進んでいきました。

 

しかも!

何ということでしょう、私のスマホにはGoogleMapの他に

Waseというナビゲーションも入れているのですが、

天候のせいなのかどうかどちらもがうまく作動せず、

行けども行けどもあと2時間半の表示。

しかも高速道路の途中で「左に曲がって、更に左に曲がって…」

などという案内があり、一瞬方向を誤ったかと思ったほどでした。

 

最後にサービスエリアに止まった時に息子に電話をして

サービスエリアの場所を告げたら「次の出口がトリノだよ。」とのこと。

ホッとして力が抜けるほどでした。

 

息子の住むアパートは古い建物でエレベーターがなく、

最上階の5階(日本式には6階に当たる)まで、荷物を持って上がるのは

いささかこたえましたが、マンサルダという最上階の部屋は可愛らしく、

一人暮らしには十分すぎる大きさでした。

 

ソファベッドもあるのですが、「一緒に寝るか」という息子の言葉に

もちろん異存はなく、低いベッドなのでRudyもベッド脇でおとなしく寝ていました。

 

時系列が逆になりますが、もちろんついてすぐに街へ繰り出しました。

というかRudyのための散歩です。

 

トリノはローマ、ミラノ、ナポリについでイタリアで4番目に人口の

多い都市で、工業的にはミラノについで2位という活気のある街です。

外国人もたくさん住んでいるようで、ローマではバングラデシュ

あたりの方が多いのですが、トリノではイスラム文化圏の方々が

より多く目につきました。

 

土曜日ということで骨董市が特設されていたし、

それ以外にも常時設置の青空市がどこまでも続いていました。

 

外国人とともに犬を連れているひとが多いのにも驚きました。

ですから、こちらも犬を連れての散歩は大変でした。

Rudyは10月14日に満8歳になりましたが、

まだまだ子犬のようにはしゃぎ、何事にも興味津々。

鎖を持つ息子を困らせていました。

 

途中で屋外に席のあるBarに入りましたが、

Rudyに水を少しくださいと頼んだら、しっかり犬用の容器に入れて

持ってきてくれました。

つまり、犬連れの客が多いということでしょう。

翌日レストランにも入りましたが、そこも犬連れでOKでした。

 

我が家の近辺ではまず無理な話です。

北イタリアとの意識の違いを痛感させられました。

 

トリノはもともとサルディニア王国の首都であり、

その後イタリア王国に統一されたあと、短い間(1861−1865)ですが

その首都でもあったところで、広い庭を持つ素晴らしい王宮や

有名なモーレ・アントネリアーナというシンボル的な塔があります。

この塔はもともとシナゴークとして建て始められたものですが、

建築家のアントネッリがあまりにも壮大なものを作り

予算が合わなくなり、トリノ市が買い取ったということのようです。

 

1886年当時、ヨーロッパではエッフェル塔に次ぐ高さを誇り

いまでも鉄筋構造物ではなく、石を積み上げた建造物では世界一高いものだそうです。

いまでは中に映画博物館があり、

やはり世界で一番高いところにある博物館となっています。

 

ただ、今回の見学は外側からのみ。

内側は次回のお楽しみに残しておきました。

 

1泊のみで帰りは午後3時半に出発したので眠気との戦いもなく、

日曜日は大型のトラックが高速道路上通行禁止になっているので

難しい追い越しも必要ないし、ナビゲーションもうまく作動して

予定では行きよりも約30分早く着くということでした。

 

トリノからミラノ周辺は4車線のところもあって、

快適に飛ばすことができました。と言っても、今の車には

スピードを出しすぎると警報がなって、うるさいので

制限速度を若干上回るに過ぎないのですが。

 

とにかく♬ 行きはヨイヨイ ♬ ではなく全く逆の旅でした。