出たきり邦人 1628 車は必需品

 

イタリアの生活に車はなくてはならないアイテムです。

 

日本なら都会に住む方々に車は無くても特に不自由を感じることはないと思います。

事実私も日本にいた頃は運転免許も持っていませんでした。

 

父は私が14,5歳になった頃、山道で運転を教えてくれましたが、

運転そのものに興味はあっても、免許を取ろうとは思ったことがありませんでした。

極端な運動神経欠如だと思い込んでいた私には、

街なかでの運転なんてとんでもないと思っていたのです。

 

そして、日本の都会のように国鉄、じゃないJRですか今は。(汗)

私の日本語は30余年前にとどまっているので時々古臭い表現になりますがご容赦ください。

日本の町々はJRや各私鉄に地下鉄、そして路線バスなどが充実しているし、

それらの連絡もうまく取れていますよね?

 

そして殆どの駅前にはタクシーが待機していると思います。

こちらイタリアでは事情は全く異なります。

 

まず、イタリアの古い街の殆どは高い山の上に位置します。

3000年程前に疫病や外敵から身を守るためには見晴らしの良い山の上に街を作ることが必要でした。

 

そこで国鉄(イタリアでは今でも国鉄です〜(笑)は

それぞれの街の麓までしか行っていないことになります。

そこから山の上の街までまだ何十キロもの道のりを自家用車か路線バスで移動することになるのです。

ですから駅のそばは自家用車で溢れかえっていますし、

路線バスは電車の到着時刻との連絡など度返しで、時間が来ればさっさと出発してしまうし、

道路事情やバスの故障などで来るべきバスがいくら待ってもやってこないこともしばしばです。

そもそも電車の本数自体限られていて朝夕のラッシュ時にこそ1時間に4本ぐらい、

昼間の13:00〜16:00頃には全く走っていないところもあります。

おそらく日本の皆様には信じがたい状況でしょうが2019年現在まだこんな状況です。

駅も無人のところが多く切符は自動販売機で買うか、近くの立ち飲み喫茶BARで手に入れるか…

もしも自動販売機が故障していたり、

BARがお休みの日にあたったりしたら切符を持たずに乗り込み、

切符の点検が来ないことを願うしかないのです。

車内で買うことができると聞いたり、その時はすでに遅くて罰金を加算されると聞いたりいろいろです。

 

いろいろなところがなんとも恐ろしいでしょう?

 

唯一最近はスマホでE-チケットを買うことができるようになりましたが、

そういうことに慣れていないお年寄りなどは門外です。

 

駅に降り立ってバスが行ってしまったことを知ったら日本ならタクシーを探しますよね?

それも無いのです。

 

私がもしも電車を使うとしたらRoma〜Cassinoというローカル電車に乗ることになり、時間にして約2時間半の距離ですが、その区間でタクシーが駅前で待っているのは 私の知る限りほぼ真ん中のFrosinoneという駅のみです。

そこはFrosinone県の県庁所在地ですし、商業的にも重要な街だからだと思います。

 

事ほど左様で自由に動きたければイタリアではマイカーがないと身動きが取れない状況です。

ですからさほどお金持ちでなくとも家に何台もの車があることも珍しくありません。

 

私がイタリアに移り住んだ1985年当時、街なかを走っている殆どの車はおんぼろでした。

古くて傷だらけで泥だらけで黒い煙を吐きながら走っている車ばかりで驚いたのを覚えています。

当時車検は初回が10年目、そのあとは5年毎。

それまでは車検なんてなかったとも聞きました。

日本では新車を買っても10年間乗り続ける人は少ないでしょう。

こちらでは20年も30年も同じ車に乗っている人がたくさんいます。

それはその車に愛着があるからということもあるでしょうが、

車はあくまでも自分の足代わり、見た目や流行などには関心がないということが上げられるかと思います。

いえ、厳密にはこれも過去形ですね。最近は新しい車が大半になってきました。

 

新しい車が増えてきた背景にはリージングで車を買えるようになったことが大きな要因だと思います。

テレビなどでリージングで車が買えると言い出したのは90年代に入ってからではないでしょうか?

最近では数年ごとに乗り換えられるような方法もあるようで、見違えるほど車は綺麗になりました。

 

排気ガスの規制も要因の一つでしょう。

EU規格に適合していなければ乗り入れできない地域が増えています。

そのEU規格もどんどん厳しくなって今ではEuro6という2014年に制定されたものになっています。

街によっては中心部は電気自動車のみというところもあるようです。

 

さて、今回車の話題を選んだのは最近私自信が車を乗り換えたからなのです。

 

免許をとったのは1990年、息子を身ごもったとわかった時でした。

こちらでは子供を学校に送り迎えするほぼ義務のようなものがあって、

今や運転免許は全てのマンマ(母親)の必需品なのです。

最初の車はシトロエンの2CV(イタリアではドゥエ カヴァッリ=2馬力とそのままに呼ばれています)、

可愛らしくて軽やかで今も根強い愛好者を持つ車です。

 

妊娠後期になると危ないからと車を取り上げられてしまいました。

出産後も1年ほどは息子を抱き帯に入れていつ来るとも知れぬ路線バスでローマにでかけたりしたものでした。

 

ある日、廃車寸前のメルセデス・ベンツをあてがわれて再度運転し始めましたが、

車はやはり年齢に勝てずに数カ月後、坂道で動かなくなってしまいました。

 

次に主人が私用に用意してくれたのは、かねがね「あの車だけはいやよ。色が大嫌いだから。」

と言っていた肌色のFord Fiesta(フォード フィエスタ)。

義妹が乗っていた数センチ四方で傷の無いところがないというシロモノでした。(笑)

もちろんすっかり内も外も綺麗にはしてくれましたが色はそのままでした。

それも故障が多くなってきて次に出会ったのは…

 

もちろん中古の、Fiat Uno(フィアット ウーノ)

当時白いウーノに乗った一種の義賊?がニュースを賑わしていたものです。

私のも白でした。ギアの位置が日毎に違うような感覚の、

なんとも言えない車でしたが大人気で大きな駐車場では自分のを見つけるのに苦労しました。

 

次にやってきたのも同じくFiatの126 Panorama(パノラマ)これは小さなワゴン車でした。

この車に乗っている時に車検を受ける時期が来て、

ローマにある交通局まで行って一日がかりで更新してもらったのを覚えています。

 

そうそう初めの方に昔の車検の時期を書きましたが今は2年毎です。

しかも街なかの、許可を受けた自動車修理工場などでできるようになったので、ものすごく楽になりました。

簡単な検査に合格すれば、つまり修理の必要がなければ経費も1万円以下です。

 

濃紺の126パノラマから一気に真っ赤なOpel Corsaに乗り換えました。

小さな車体に155ccターボディーゼルで山の上の街まで軽快に登って行きました。

乗り換えてすぐにフィーリングの合った大好きな車でした。

でも、まだパワステもついていなかったしエアコンもなく、よくブレーキが故障していたので安全を考えてフォルクスワーゲンのPolo(ポーロ)に乗り換えました。

 

初めての新車です!

これまで新車に乗らなかったのは、仕事の関係でローマの街のあちこちに

路上駐車していたので、盗難に合うことを避けるためだったのです。

仕事を退いて田舎町にいることが多くなったので新車を、ということになりました。

新車はやはり気持ちの良いものでしたが、なぜかこの車とは性が会いませんでした。

ガレージの幅が狭かったので選ぶ範囲が限られていたこともあって決めたのですが(主人が)、

そしてワゴン車だったので息子や、その友達のスポーツバッグを満載して

ラグビーの試合にあちこち連れて行くには最適の車だったのですが、

何故か好きになれないまま、友人の古いFord Ka(フォード カ)という車と取りかえっこしました。

 

Ford Kaもあの頃はデザインが斬新で可愛らしかったのですが、

今やその面影はありません。2ドアで少し不便を感じていました。

 

そして、いよいよ外車です!Mazda 2!(マツダ ドゥエ)

日本ではデミオと呼ばれている車です。

日本車に対する信頼は、90年代のはじめの頃からどんどん高まってきており、

街なかでもよく目につくようになりました。

 

日本車は車内のあちこちに目が行き届いていて居住性がいいですね。

小さなゴミ箱がついていたのが忘れられません。

残念ながら止まっているところを後ろから追突されたのをきっかけに、

修理にかなりの時間がかかり、やっと戻ってきた時、

まだ私が手をつけないうちに息子が夜道で犬を避けようとして事故を起こし、

そのあとは友人の手に渡りました。

 

2010年にまたまた中古車のLand RoverのFreelander(フリーランダー)

四駆を手に入れました。理由はこのあたりの道路事情によるものです。

でこぼこが多いのとよく小川が氾濫して道路が水浸しになることがあり

、冬には道路が凍る地域だからというところでしょうか。

この車に乗り換える少し前からゴルフを始めていて、

ゴルフバッグが荷台にちょうど収まるところも気に入りました。

車内もゆったりしていてギアチェンジの時に隣に乗っている人の足に手をぶつけることもなくなりました。(笑)

 

大好きで、自分で遠くの街の直販店まで部品を買いに行ったりしたものですが、

やはり古いのでよく故障も起こしました。

最終的にはエアコンのモーター?コンプレッサー?の故障で

ハンドルが効かなくなったりという恐怖にも見舞われましたが、

エアコンを使用しなくなってからはまたよく走ってくれていました。

 

ただ内装がいかにもみすぼらしくなってしまったし、

年の夏はエアコン無しで走りましたが友人を乗せるには気が引けたし良い出物があったので乗り換えました。

最新のは中古ですがFiat 500XというミニSUBです。

Jeep Renegadeと同じベースなのだそうで

2台並んでいるところを見ると双子の兄弟の男子と女子のようです。

 

イタリアにはFiat500(フィアット チンクエチェン)という永遠の名車があって、

1977年に製造は中止されたにもかかわらず、今でもあちこちで元気に走っています。

 

それを新しくしたものが2007年から発売されてまたまた人気を博しています。

旧500は見た目も小さくてとても可愛らしいものだったので、

その雰囲気を壊さないデザインで4人が乗れるように、ということで一回り大きくなったのですが、

やはり正直なところ後部座席はごく狭いので、

その新500を更にひと周り大きくした500Lが発売され、

その大きさでSUBということで更に500Xが2014年に誕生しました。

 

500Lよりも旧500の面影を良く伝えているのがこのXです。

初めての黒い車体に戸惑ってはいますが、

最新のテクノロジーがあちこちに散りばめられていて運転は快適です。

Freelanderとは幅も車高も変わらないのですが、

長さが20数センチ短いので荷台にゴルフバッグ乗せられなくなりました。

それだけが残念ですがこれから数年、もしくは十数年?仲良くしたいと思っています。