出たきり邦人 1620 イタリアのゴルフ事情

=ローマの田舎町から=

今回の話題は今の私の生き甲斐 [ゴルフ] です。

 

ゴルフに興味の無い方には申し訳ありませんが今回は我慢なさって下さい。でも、また違った角度からイタリアが見えてくるかもしれません。

” 趣味は実母を知ってからゴルフになりました。 実母が生涯独身をとおし、唯一の楽しみがゴルフだったと聞いて以来、 遺品として引き取った彼女の道具で初めてみたら なんとハマり込んでしまったのです。”

以前自己紹介で書いたとおり、私とゴルフの出会いはいささか運命めいていました。

すでに仕事から身を引いていた私にとっては、道具と共に 実母が残してくれた資金がなければゴルフを始めることに踏みきれなかったでしょう。

ただ道具類はやや古いものだったので翌年全てを新しくはしましたけれど。

そしてゴルフに巡り合っていなければ私の更年期ウツはきっと悪化していたでしょうし今の自分はなかったかもしれません。

自然の中でプレーするゴルフにはそういう効果があるようで、 仲の良いゴルフの友人の中にも私と同じような境遇のひとがいます。

また、彼女は数年前に乳がんの手術、その後の治療を続けてきましたが、やはりまたラウンドしたいという気持ちが支えてくれたと言っています。

 

私の所属するクラブは [Golf Club Fiuggi 1928] と名前にもあるように1928年に誕生したイタリアでもかなり旧いゴルフ場です。

当初3ホールのみの小さなものでした。

ローマから80km余、標高621m。当時ローマには唯一Acquasantaというゴルフ場がアッピア新街道沿いにありました。

そこはローマに駐在する主にイギリス、アメリカの大使館員や大企業の幹部達の為のゴルフ場でした。

彼らが暑い夏場にゴルフを楽しみたいということで真夏も過ごしやすいFiuggiに新しいゴルフ場を作ったのでした。

そもそもFiuggiという街には世界的に名高い胆石治療に適した鉱泉が出るので、すでに中世から湯治客が集まった所なのです。

ですからホテルもたくさんあって夏場は長い間滞在したようです。

1940年、コースは9ホールに拡張されました。ムッソリーニもここでプレイしたと聞いています。

1970年代初期にやっとクラブハウスが出来上がり、その頃には多くのイタリア人達の社交の場になったようです。

政財界はもとより芸能人達も集まった賑やかな表彰式が繰り広げられたそうです。今やどこにもそんな面影はありませんが。

1990年代初めに現在のように18ホールになりました。(パー70)

山あいのホールなので起伏が激しく、新しい9ホールのうち4ホールが大きな池の周囲に位置し、後半の9ホールはグリーンが小さく、フェアウェイ両脇には針葉樹が茂り転がしが苦手ではプレイになりません。

街に近いということから青少年が幼い頃からキャディとしてゴルフに交わり、やがてゴルファーとなり、その難しさからプロになった人たちがたくさんいてイタリア中のゴルフ場でコーチとして活躍している方々の多くはFiuggiの出身です。

と、もっぱら自分の所属するクラブを紹介して来ましたが、イタリアではこのようにどこかのゴルフ場に所属するのが普通です。

原則としてゴルフルールの筆記試験に合格し、イタリアゴルフ協会のメンバーとならないとラウンドできないことになっています。

外国人はもちろんそれぞれの国で取得した公式ハンデで大丈夫です。

原則的にはそうなっていますがコンペに出場しない限り旅行者などはラウンドできるようです。

私が始めた頃には筆記試験に合格した後に実技試験があり、ハンデ36に見合う実力とマナーが身についていなければなりませんでしたが、3,4年前から筆記試験のみになったようで合格すれば即座に54ものハンデがもらえることになりました。

以前は筆記試験合格から実技試験に受かるまではすでにハンデを持つ同行者がいなければラウンドできなかったのです。

そうやって先輩たちに付いて色々覚えたものでしたが、最近はグリーン間近をゴルフカートで通るような輩もいて先行きが心配です。

ゴルフ人口を増やそうと言う目的はわかるのですが、ゴルファーの質があまりにも低下してしまったら逆にゴルフを愛する人たちが離れていってしまうのではないでしょうか?

 

試験以外にも日本とこちらのゴルフ事情はいろいろと異なります。

まず、料金が安いこともあげられるかもしれません。そうでなければ私自信続けて来られなかったと思います。

ゴルフ場によって差はありますが安いところで年会費600ユーロ(9ホール)、高いところで8000ユーロ。あくまでもローマ近郊の場合ですが、まずはこの範囲に収まるのではないかと思います。

また、練習場のみというところがあってそういうところは当然もっと安いです。

年会費プラスロッカーなどの使用料が若干プラスされますが、この年会費を払ってしまえばあとは毎回のラウンドは無料です。

ゴルフカートを利用する方はその料金のみがかかります。練習用ボールもその都度支払います。

子どもたちは安いところでは12歳未満は無料だとか。高いところでも4〜500ユーロ。18歳未満で7〜800ユーロといった具合でスポーツジムや合気道などの道場へ通わせるのと大差ありません。逆に安いくらいです。

道場は週に2,3回ゴルフは毎日でも良いのですから。夏休みには朝から晩までゴルフ場で過ごす子どもたちがいます。うちのゴルフ場は街から近いのでなおさらです。

ラウンドは無料ですがコンペに参加するには別費用がかかります。と言っても15〜20ユーロ、2000円前後です。

では、よそのゴルフ場へ遊びに行けばどうかというと高いところで日祭日160ユーロ、安いところは30ユーロ。平日はもちろんより低い設定ですし、ジュニアは半額ほどのところが多いです。

もしもイタリア(ローマ)に来てゴルフをしたくなったら3500円から20000円の範囲でラウンドできます。もちろんゴルフカートは別払いですが、カートのごく少ないところもあるので事前の確認が必要です。

そもそもイタリア人たちはあまりゴルフカートを使いません。手引きもしくは電動の手押しカートで歩きでラウンドします。

うちには80代後半のゴルファーが数人いますが彼らはいつも歩きです。健康維持のためのゴルフですから当然ですね。

そして我々の姿を見るとすぐに端によって先に通してくれます。

 

イタリアゴルフ協会の資料によれば協会に登録しているゴルファーの数は2018年度 91165人。男性 67739、女性 23426人。

2018年新規登録者 9471人。更新者 77215人。再登録者 4479人。

2017年度は合計 90173人ですから昨年度908人増加したようです。

以上はあくまでもFIG(Federazione Italiana Golf)イタリアゴルフ協会に登録した人数で、競技ゴルフをしてみたいという方たちの数。そのほかにもゴルファーたちはいるでしょうがはっきりした数はつかめません。

 

さて、今度はゴルフ場の数ですがイタリア全国でわずか 285!世界では18位の数だそうです。日本だと北海道と兵庫県を足しただけでもほぼ匹敵しますね。

首都ローマで 12,プラス練習場のみ、あるいはPich&puttの小さなゴルフ場が同じぐらいあると思います。

しかもローマ以南ではその数は片手ぐらいでしょう。多くのゴルフ場がローマ以北に偏っています。

 

こちらは冬が雨季なのでここ数日も雪や雨が降っています。

ですから冬場は文字通りのグリーン。真夏には赤茶けてしまうところが多いです。

また、うちのゴルフ場の自慢ばなしに戻りますが、うちのゴルフ場の地下を例の鉱泉の水脈が通っているので一切の化学肥料や薬品除草剤などは使えません。

そういう意味でも貴重なゴルフ場なのです。

全てが自然のまま、その分排水も良いので雨の多い冬場でもラウンドできます。

各コースにはリンゴ、サクランボ、プラム、ブラックベリー、野イチゴ、クリ、桑の実などが植えこまれていてラウンド中につまめるのですよ。^^

クラブハウスのパスタも美味しいと評判です。

良かったらぜひ一度。